一般的な鉄筋はコンクリート中の適正な位置( 縁の位置から数cm以上内部)にちゃんと配置されていたなら、 空気と水が遮断され、かつコンクリートの高いアルカリ性によりなかなか錆びにくいが、 下の写真などはその位置が適正でないために、施工後約9年の今、 既に錆びてしまっている例である。

では写真の説明だが、これは厚さ10cmの駐車場のコンクリートを約1m四方に切断し、下側(地面側)を撮影したものである。赤黒く錆びた格子模様は、本来はコンクリートの中に入っているべき鉄筋(6mmメッシュ筋)である。鉄筋をうまくコンクリート 内に配置するには地面から浮かせる必要があるので、作業性が頗る低下する。
そこで、手間を省くため、地面に直に鉄筋を置いてその上ににコンクリートを打設したというわけだ。これは率直にいえば鉄筋コンクリートではなく、コンクリートの下に鉄筋があるので無筋コンクリートである。
これでは、鉄筋はアルカリに守られず、さらに水も空気も触れ放題だからあっという間に錆びる。まるで「やるだけ詐欺」の典型のような手抜き工事だ。
では、この手抜き工事と同じ施工方法で、亜鉛めっき鉄筋を使えばどうなるか。
はい、数十年に渡って錆びません。
手抜き工事でもなかなか錆びにくいのが亜鉛めっき鉄筋・・・・・良いのやら悪いのやら、なんとも苦笑いするしかありません。
蒼園デザインアソシエイツ
井 出