EX-RS

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exterior-relief safety

蒼園デザインアソシエイツ

取締役社長
 井出 昭男

「私が生きてる間にはまず錆びないだろうと言えるぐらいの鉄筋なら、安心できるブロック塀が出来ますね。是非めっき鉄筋を使ってください」にっこり笑ってそうおっしゃったお客様の言葉に私は確信を持ちました。

 その日より遡ること約一月前。私は沖縄は首里城正殿の再建にあたり、その基礎に溶融亜鉛めっき鉄筋が使用されたとの記事を読み、目から鱗が落ちる思いでした。「近い将来この加工を施した鉄筋が、日本の建築土木業界で主流となる日が来るに違いない」と。ならば善は急げとばかりに、直ぐ様市内のガルバ興業さんへ鉄筋を持参し、めっきをしていただきました。

 爾来二十年近く、ブロック塀はもとより多くのコンクリート建築物を造って参りましたが、未だかって溶融亜鉛めっき鉄筋の使用を断られたお客様は、唯のおひとりとしておられません。例えそれが工事予算捻出に汲々とされるような状態であったとしてもです。なぜなら溶融亜鉛めっき鉄筋は高価ではないからです。ほんのわずかな出費で、お客様の生涯、いや場合によってはその子孫の代にまで至るであろう安心、安全が買えるのですから。

 しかしながら私の当初の予想は大きくハズレました。それ程にお客様に「ウケ」が良い素材であるにもかかわらず、使う側の業界は興味を示さず月日が流れてゆきました。

 しかし、ここにきて少し潮目が変わってきました。まだ極少数ではありますが、溶融亜鉛めっき鉄筋に興味を示してくださる方が増えつつあります。これを機に関係各位の協力を仰ぎ、弊会の発足に漕ぎつけることができました。まだまだ産声をあげたばかりの小さな組織ではありますが「溶融亜鉛めっき鉄筋」があたりまえのように建築物等に使用される日々が一日でも早く到来するよう、啓蒙また普及活動に邁進する所存であります。